若手エンジニア向けに「製品開発」の基礎を指導する研修プログラムを提供します!
製造業の将来を担う若手エンジニア向けに、製品開発とは何を目指すものなのか、どのような姿勢で仕事に取り組むべきか、自社他社でどんな課題があるのか、うまく行っている例、うまく行っていない例など、世の中の動向を知り、エンジニアとしてのこれからの行動目標を明確にできるような企業研修を提供します。
日米複数のメーカー企業で製品開発現場、現場責任者を歴任してきて、1000人以上の若手エンジニアを指導してきた経験を生かして、製品開発者として何を目指し、何を学んで成長していくべきか、またこれからの時代における製品開発の役割などを企業研修、社員研修として、わかりやすくお伝えします。
技術主導か顧客主導か、持続的イノベーションか破壊的イノベーションか、開発の効率化を目指すか、エンジニアの能力に任せるか、製品開発には様々なジレンマが存在します。どれが正しいかという答えを探すことではなく、自分の立ち位置をしっかりと決めて、エンジニアとしての人生を謳歌するための知識と考え方を身につけていただきます。
本記事の内容
製品開発に関して若手エンジニアに伝えるべきこと
日米の製造業で35年以上、製品開発に携わってきましたが、「製品開発」とは何かということを体系立てて教わった記憶はありません。
大学卒業後に入った企業で、製品開発組織に配属され、先輩のお手伝いから始まって、先輩のやり方を学びながら徐々に自分の仕事をするようになって、製品開発者として生きて来た、というのが実態です。
ただ一つだけ、新人のころに当時の組織職の人が、組織の集会の時に言ったことは鮮明に覚えています。その方が言ったのは、
技術者の仕事は3つだけだ。
- 図面を書くこと
- 特許(アイデア)を出すこと
- 報告書を書くこと
ということでした。
実は今の時代、製品開発組織のエンジニアの仕事はこんなにシンプルではないような気がします。
そもそも製品開発とは、何をするところなのか、全社の中で製品開発組織の役割は何なのか、市場、競合、社内ということを考えたときに、どんな組織であるべきか、そして自分自身はどんなエンジニアであり、どのように成長すべきかを考えるきっかけを伝えたい、というのが私の想いです。
伝えたい項目を箇条書きにしてみます。
- 製品開発者の仕事
- 既存技術の組み合わせによる顧客価値向上
- 新規技術を生み出す
- 競合に勝って会社の収益を上げる
- 開発者のアウトプット
- 報告書
- 特許(アイデア)
- 図面(製品設計資料)
- 製品開発における様々なジレンマ
- 改善と革新
- 日程順守と顧客品質向上
- プロダクトアウトとマーケットイン
- 新市場開拓と競合のキャッチアップ
- 組織の効率と個人の能力
- プロジェクト推進組織と機能別組織
- イノベーションの正しい捉え方
- イノベーションとは?
- 技術革新と顧客価値革新
- 魔の川、死の谷、ダーウィンの海を越える
- 製品企画と製品開発
- 開発プロジェクトリーダーの役割
- 顧客の言葉と技術者の言葉
- R&Dマーケティングの必要性
- トヨタ式リーン製品開発から学べること
- ベストプラクティスとしてリーン製品開発を学ぶ
- チーフエンジニア制
- セットベース開発
- A3報告書
- トヨタ式リーン開発の本質
- 開発革新の進め方
- 現状を正しく把握する分析法
- 3C、SWOT、TOCによる目標設定
- 正しい戦略的アプローチ
- エンジニアとしての自己育成
- 自分の棚卸しと他人との違いを作る
- 目標を立ててコア技術を育てる
「製品開発」と一言で言っても、企業ごと、あるいは製品の特質などによって、企業における製品開発の考え方、位置づけなどは必ずしも同じではありません。
着実に技術革新を続けていれば収益が確保できる業種、市場の変化、顧客の多様性が進み、顧客価値を中心に進めないと収益確保が難しくなる業種、業界の衰退が見えていて新規市場、新規事業の開拓が急がれている業種など、その状況は様々ではないかと思います。
一般論としては、市場の多様性、IT技術、通信技術などの急速な進歩によって、顧客価値を重視して、しかも一社のソリューションだけではなく、複数の製品やサービスを組み合わせて顧客価値を最大化していく必要があるなどと言われていますが、まずは、自社における製品開発の意義、目指すべきものを冷静に考える必要もあります。
大量生産によるコストダウン、製品ラインナップの拡充による収益確保に成功してきた2000年ころまでの日本企業が、その成功パターンから抜け出せずに、様々な製品開発におけるジレンマに対して手をこまねいている状況も多数見受けることが出来ます。
本来、製品開発における様々な考え方、トレードオフなどがあり、エンジニア、技術者一人ひとりの活躍の場、活用のしかたも様々であると思っています。
まずは、製品開発ということを、今の各社の状況から一段上から俯瞰してみることで、今後の組織の在り方、エンジニア育成の在り方を考えるきっかけにしていただければと思います。
「製品開発」に関する各種講座のご提供
上記の伝えたい項目に挙げたことを中心に、新入社員、3年目社員、その他中堅エンジニア向けに「製品開発」に関する教育講座を提供します。
各講座の内容は、ご要望に応じて内容や時間を調整することが出来ます。いくつかの講座を組み合わせることも出来ますので、お気軽にご相談ください。
新入社員向け「報告書の書き方」講座
対象:新入社員、又は3年目以内の若手エンジニア
時間:2時間
内容:
- 報告書の書き方基本
- 報告書の目的と種類
- 1ページ目の書き方
- 起承転結の作り方
- トヨタのA3報告書文化
- 1ページにすべてを凝縮する
- 組織で育てる知識資産
注)3年目研修の場合は、過去に書いた報告書をその場でレビューして実習の形で書き方を学ばせることも可能。その場合、参加人数により必要時間を追加する。
新入社員向け「日程の立て方」講座
対象:新入社員、又は3年目以内の若手エンジニア
時間:2時間
内容:
- パート図を理解する
- パート図の書き方
- 演習:身近な課題でパート図を書く
- パート図を使って日程短縮の検討
- ガントチャート
- ガントチャートの書き方
- 演習:ガントチャートを書く
注)3年目研修の場合は、上記にCCPM(クリティカル・チェーン・プロジェクト・マネージメント)手法の概要をプラス1時間で追加できます。
参考記事:「クリティカルチェーン」から学んだプロジェクト管理
「製品開発の基礎」講座
対象:3年目研修、又は中堅エンジニア
時間:3時間
内容:
- 製品開発者の仕事
- 既存技術の組み合わせによる顧客価値向上
- 新規技術を生み出す
- 競合に勝って会社の収益を上げる
- 製品開発における様々なジレンマ
- 改善と革新
- 日程順守と顧客品質向上
- プロダクトアウトとマーケットイン
- 新市場開拓と競合のキャッチアップ
- 組織の効率と個人の能力
- イノベーション・マネージメント
- イノベーションとは?
- 技術革新と顧客価値革新
- 魔の川、死の谷、ダーウィンの海を越える
- 製品企画と製品開発
- 開発プロジェクトリーダーの役割
- 顧客の言葉と技術者の言葉
- R&Dマーケティングの必要性
「トヨタ式リーン製品開発の概要」講座
対象:3年目研修、又は中堅エンジニア
時間:3時間
内容:
- リーン製品開発の概要
- 歴史的背景
- 3つの重要要素
- チーフエンジニア制
- セットベース開発
- A3報告書
- リーン製品開発の実践
- 成功事例を学ぶ
- 知識資産を有効活用する開発プロセス
注)トヨタ式リーン製品開発に関しては、別記事「トヨタ式リーン製品開発とは」を参照ください。
「エンジニアにマーケティング思考を付加する」講座
対象:中堅エンジニア
時間:4時間
内容:
- 技術主導、プロダクトアウトの限界
- 大量生産時代に生まれた偶然の成功者
- 時間軸で孤立したイノベーション
- マーケティング理論の変遷
- 製品軸から顧客軸に思考シフト
- ジョブ理論(JTBD)の基礎
- 間違った競合の考え方
- <ワーク>競合の見損ない
- 顧客観察と質問力で真のニーズに迫る
- 製品購入動機のしくみ
- <ワーク>顧客・インタビュー
ロールプレイで顧客の心の中にある潜在ニーズを聞き出す - デザイン思考・ストーリー思考で考える
- 様々なジョブの形
- <ワーク>ストーリーを書きだす
- 戦略的なイノベーションの起こし方
- イノベーションのプロセス
- ダーウィンの海こそ宝の山
- エコシステムの拡張と継承
- <ワーク>事業の価値向上
注)本講座は、弊社のオープン講座で実施している内容です。
「エンジニアに正しい戦略立案を伝える」講座
対象:中堅エンジニア
時間:4時間
内容:
- 戦略とは
- 先人の知恵
- 5つの競争要因(5 Force)
- 良い戦略と悪い戦略
- 経営戦略と技術戦略
- <ワーク>現状の戦略立案の問題点
- 戦略と3C、SWOT
- 戦略内容はなぜ今達成できないか
- 戦略策定のプロセス
- 顧客価値と競合優位性
- <ワーク>自社の弱み
- 時代を読み解く
- 3C分析と時代分析
- 自社のDNAを読む
- 競合と世の中の流れを読む
- <ワーク>時代分析
注)本講座は、弊社のオープン講座で実施している内容です。
まとめ
製造業企業において、製品開発は収益確保のための重要な役割を担っています。
それぞれの企業の立場で、「製品開発」に対する考え方も違うし、また、時代とともに「製品開発」が社会に果たす役割も少しずつ形を変えていっています。
従来のやり方に多少なりとも疑問を持つならば、会社の将来を担う若手エンジニアに「製品開発」に関しての深い知識を得てもらうチャンスなのだと思います。
自社の思い込みを排除して、正しい未来を作っていくために、若手にチャンスを与えていきましょう。
「製品開発」に関する社内研修にご興味がありましたら、ぜひとも下記よりお問い合わせください。