あなたの会社では、新規事業や新製品が次々と生まれる体制になっていますか?

いわゆるマーケティング力は備わっているでしょうか?

私の知っている多くの日本の製造業は、長い間、既存事業、既存製品で収益を確保してきたので、今、新しい事業や新製品を生み出すために、大変な苦労をしているように思います。

既存製品は従来の製品の延長線上で、少し機能アップした製品を、同じ販売チャネルで、同じ販売戦力を使って売っていれば、おおよそ計画通りの販売、売上が得られるという事業を随分と長い間やってきたために、新しいことを考える力を企業が失ってしまっているように思います。

もちろん、業界によって激しい競争に勝ち残るために、皆、必死で戦っているのですが、業界内、新規参入の脅威、代替え製品の脅威、売り手、買い手の脅威、いわゆるFive Forceと戦うことで、競争力を維持しているわけです。

ただ、既存事業が頭打ちになって、IoTやらAIやら、既存製品単体で勝負が出来なってくると、飛び地の事業領域に新規参入者としてチャレンジしていかなければなりません。そうしないと生き残っていけない時代になっているのです。

その能力や体力をお持ちか、というのが冒頭の質問です。

さて、マーケティングって何でしょうか? 

ぜひ、周りの人に聞いてみたり、いっしょに議論してみてください。

おそらく、いろんな意見が出てくことでしょう。

  • 「製品を買ってもらうための仕組み作り」
  • 「効果的かつ持続的に売上と利益を生み出せる状況を作り出す」
  • 「労力や時間、資金といった限られた資源で、最大限の効果を得るための仕組み作り」

 どれが正しいとかではなく、御社でやりたいことは何かをきちんと定義することが必要ですね。

私が考える「マーケティング」(決してっこれが正解と主張するつもりはない)は、”製品、商品をたくさん買ってもらうためのすべての活動” だと思っています。

販路を考えること、ビジネスモデルそのもの、顧客に受ける製品を開発すること、販売ターゲットの狙いを定めてメッセージを届け、販売行動を促進すること、などなど、ありとあらゆることだと思います。

さて、日本の製造業は、この「マーケティング」をしっかり出来る組織を持っているのでしょうか。

大量生産で成功した日本企業は、そこから、それぞれの企業の既存事業を様々な形で守り続けている状態ではないでしょうか。

既存事業、既存商品では、ある競合状況のなかで、たまに入ってくるそれほど強くはない新規参入という脅威と戦いながらも、既存商品の少し進歩した商品企画をすれば、それほど大きな差異もなく計画を達成し、従来並みの収益を継続できるので、特に新たなチャレンジをすることもなく、長い間、既存事業というぬるま湯につかって事業を継続してきた企業が多いように思います。

リーマンショックで全業態の景気が低迷し、ようやくここにきて日本企業も最悪の状況は脱し、そこそこの状況にあるように見える反面、実は日本企業初のイノベーションはすっかりと鳴りを潜め、製造業の経営状態は見た目以上に悪化しているように思います。

日本企業から、新しいコンセプトの製品や事業がなかなか出てこないのです。

既存事業を維持しつつ、効率化を強力にすすめることによって既存事業から人員を浮かせ、その人員を新規事業にシフトして、新たな事業の柱を作るという構想をどこの会社も持っているようです。

しかし、そんなにうまくは行かないのが実情のようです。

号令だけでは何も動かず、まずは、日本企業がマーケティング機能を失ってしまったことに気付くべきなのです。

まずは、社員一人ひとりの意識改革が必要だと思っています。

製品軸でのものの考え方を、基本に立ち返って顧客軸に完全に戻さなければならないと思っています。

実は、そんなに簡単ではなくて、長い間、積み重ねてきた習慣はなかなか変えられないと思うのです。

 

製品軸、製品の機能で物事を考えるようになった、固まってしまった頭をいったんクリアにして、マーケティングを強化するための頭脳に変えていかなければ、良いマーケティング戦略は今れないように思います。

 顧客視点という言葉は、巷に溢れてますが、よくよく話をしてみると、製品がある上での顧客視点になっていませんか?

 顧客が製品を眼の前にしている姿しか見えていないのではないですか?

 顧客のやりたいことは、製品や製品の機能とは全く別のところにあるかもしれません。

 製品を使う前後の行動の中に、顧客が解決したいことが隠れているかもしれません。

 機能別組織で、専門のマーケッターを雇うのではなく、技術者自らがマーケティング、技術、ビジネスを総括していくことが、これからの複雑な世界で勝ち残っていく唯一の方法だと思っています。

 顧客が第一、でも顧客の言うことを黙って聞くのではなく、顧客自身が気づかない欲求にたどり着く力、そして次に技術、製品ではなく技術と顧客の隠れた欲求を結びつける。これができるのはエンジニアだけだと思っています。

 そして、実は顧客や技術よりも重要なのは、儲けること。顧客、技術、儲けることの3つを考えるのが、真のマーケティングだと思っています。

 そして、製品はそれらよりも低いレベルで存在するべきなのだと私は考えます。